楽しみ方は人それぞれ

楽しみ方は人それぞれ

「見てごらん、あっちに中国が見えるだろう」

と空を指差したおじさんの名前は「よしあにぃ」と言いました。

それは、私が勝手に付けたニックネームで本当のところは知りません。

よしあにぃはホームレスでした。

出会ったのは私が18歳。よしあにぃは70歳前半だろうか。場所は、博多駅の博多口。

彼は、いつも博多口ら辺をウロウロしてました。

ホームレスなのにグレーのスラックスに緑のジャケット・焦茶色のハットを被っており

ループタイ(留め金のついた紐状のネクタイ)という

なんとも小綺麗な格好が印象的でした。

私の友達は、空気の読めないアホだったのでよしあにぃのループタイを

「盗った?盗った?」と聞いて、私を驚かせましたが

よしあにぃは怒るどころか、ふっふっと笑って相手にもしてませんでした。

その、よしあにぃは、ホームレスなのにいつも楽しそうで

いつも誰かに声を掛けたり掛けられたらりしていて

おじちゃんでホームレスなのに凄く楽しそうだなぁ、と不思議でした。

でも、なんか今なら分かるわ。

よしあにぃ、心にゆとりがあって満たされてたんだ。

何にも持ってなさそうなのに、きっと毎日を謳歌してたんだわ。

だから、18歳の私にも分かるくらい楽しそうだったんだと思う。

 

で、なぜ、今になってよしあにぃのことを思い出したかというと

本谷に来るお客さんたち、イキイキしてて楽しそうなんですよね〜。

ほんと楽しそうなの。

「早よざーす」って挨拶して「どしたつね!? えれ練習熱心じゃが!!」と会話を楽しむ人。

集中して一打一打を確認しながら、練習を黙々と楽しむ人。

休憩中は、椅子に座りボーッとして自然に癒されることを静かに楽しむ人。

ガハガハ笑って、ドヨーンって落ち込んで、くっそーって怒って。

それぞれが、本谷の楽しみ方を知ってて私は見てて面白いです。